話してくれた方 | 30代女性 Y夫人さん |
疾患名 / 併発・特性 | うつ病 |
発症時期 | 2008年5月頃 |
はっきりとした発症のきっかけは分かりません。ただし、小さい頃から漠然と生きづらさを感じながら育っており、突然うつ病という形で症状として現れた可能性があります。また、当時は父との関係性が悪く、大きなストレスとなっていました。 症状の悪化は、職場でのパワハラや無理解が原因だと感じています。
とにかく抑うつ状態が重く、それまで楽しめていたことがほとんど楽しめなくなりました。 また、症状がひどいときは、食事の味を感じられなくなって飲み込むのも大変になり、体重が激減したこともあります。 さらに、思考力・判断力・集中力が低下したため、仕事にも影響が出ました。教えてもらったことを覚えられないうえ、聞き取る能力も落ちたためにメモも取るのも困難に。夜もほとんど眠れなかったため、日中何度も睡魔に襲われました。 それでも毎日出勤して仕事を覚えようと必死でしたが、上司や先輩から「覚える気がない」「真剣さが足りない」などと言われ、悲しかったです。
🗣 病院・カウンセリングについて
病院・カウンセリングの通院状況
当初、気分が上がらないのはホルモンバランスのせいだと思い、近くの婦人科クリニックに行きました。いくつか検査を受けてホルモンに関する異常はなかったので、ベックうつ病調査表に回答したところ中程度のうつ病と診断され、精神科に通うことになりました。 病院は転居などで数回変わっていますが、通院は2~4週間に1度、治療は薬物療法がメインです。 カウンセリングは、通院を始めてしばらく経ってから始めましたが、そこで提供されているのは認知行動療法のみ。認知の歪みを修正するプロセスが思考力が低下した自分にはとてもつらく、数ヶ月で中断しました。7年経ってから、別の病院で来談者中心療法のカウンセリングをしていることを知り、利用を再開。寛解してからも再発防止のために通い続けました。
病院・カウンセリングの選び方
1ヶ所目の病院(精神科クリニック)は婦人科クリニックの紹介で行きましたが、その後は転居したので、その地域や通勤圏内で評判のいいところをネット検索して選びました。
ただし、評判のいい病院は混んでいるので、長いと1ヶ月以上待つことも覚悟した方がいいかもしれません。 待つのがしんどい場合は、空いている病院を選ぶ選択肢もありますが、
・話を聞こうとしない医者 ・多剤処方しようとする医者
は絶対避けた方がいいと思います。
😌 回復までの流れ
回復までの流れ-兆し・きっかけ
2016年10月、パワハラのあまりのひどさに精神が限界を迎え、休職に入ってから、回復の兆しが見えてきました。上司や先輩と顔を合わせなくていいという安心感が回復につながったのだと思います。 実はこの休職は2回目でした。1回目の休職(同年春ごろ)では、病状の変化を毎週1回電話で報告するよう上司に言われており、報告するたびに病状が悪化して辛かったです。 2回目の休職では、病状報告が悪化につながることを診断書に書いてもらっていたため、上司に電話しなくても良くなりました。最終的に、退職の希望を伝える以外、職場には1本も連絡しませんでした。 この時期は充電期間だと割り切り、家で寝たいだけ寝てのんびり過ごすことを心掛けていました。両親からも「あんたは寝てばかりいる」と言われましたが、かまわず部屋で休んでいました。
回復までの流れ-回復期〜寛解まで
家で寝たいだけ寝ている日々が続いたある日、急に「何もしないのは退屈だなぁ」という気持ちが芽生えました。このとき、10分起きているのも大変なくらい体力が落ちていたので、まずは起きる時間を増やすことから始めました。起きられる時間が少し伸びたところで、家の外に出て散歩をするようになりました。 散歩で体力がつくと、病状の悪化で楽しめなくなっていた趣味も再び楽しめるようになりました。部屋の掃除や家事も、おっくうさはあったものの、少しずつできるようになっています。
💡 効果的だったこと
効果的だった取り組み
効果的だった取り組みは、散歩とカウンセリングです。 体調の波が続いていたので、散歩は調子の良いときは海辺を30分ほど、調子がイマイチなときは家の周りを5分ほどと無理をしないように気をつけながら継続しました。 カウンセリングには、2~4週間に1度通っていました。来談者中心療法だったので、療養中辛いこと、よかったことなど、何でも自由に話せたのは良かったです。以前利用してやめた認知行動療法のように、認知の歪みを直さないといけないというプレッシャーがないのも助かりました。
効果的だった周囲の支援
最も効果的だった支援は、当時の交際相手(現在の夫)でした。私のうつ病を知った上で交際を申し出てくれたうえ、病状の悪化でなかなか会えなくなってからも「早く治して」と急かすことは一切なく、なかなか治らないジレンマを受け止めてくれました。 家族は、寝てばかりいる私に注意することがたびたびあったものの、うつ病を理解しようと努めていたように思います。退職も私からは言い出しにくかったのですが、「そんな上司のいる職場はやめなさい」と背中を押してくれました。
💌 現在の様子・当時の自分にメッセージ
いま心がけていること
「心の健康を維持するには、身体の健康維持が必要」と考え、毎日15分程度ヨガや筋トレをしています。ストイックに運動をしている人から見ると時間も強度もかなり緩めかもしれませんが、無理をせず心と身体がちょうどいいと思える範囲で継続しています。ただ、最近はもう少し精力的に活動したいと思うようになったので、運動時間も20分くらいに伸ばしたいです。 また、食事にも気を遣っています。インスタント食品やスナック菓子は極力避け、簡単でも栄養バランスが取れた献立を作るようになりました。 個人的な実感ですが、身体が整うと心も整いやすい感じがします。
いま、当時の自分に声をかけてあげるなら
「絶対あなたは良くなる。もうなにも頑張らなくてもいいから、とにかく生きて!」
当時の私は、「もう二度とうつ病は治らないんじゃないか」と絶望していました。そして、上司から「うつ病は根性で治るんだよ!あんたは努力不足だ」と言われていたので、「私は努力が足りないから治せないんだ」と本気で思っていたんです。
2度目の休職を機に、上司に強制されていた努力をやめて休んだら、最終的に寛解に至りました。「頑張るのをやめたらもっと悪くなる」と信じて疑わなかった当時の私に、十分頑張ったから休んでいいことを伝えてあげたいですね。
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