話してくれた方 | 20代女性 M.Sさん |
疾患名 / 併発・特性 | 双極性障害 |
発症時期 | 2017年2月頃 |
2016年4月に大学に入学し、そのとき入部したサークルでいじめに遭ったことがきっかけです。 最初は陰口だけで済んでいましたが、授業を受ける場所の前で待ち伏せされて暴力を振るわれるようになりました。 次第に、大学に向かうバスに乗るだけで涙が出るようになったり、悪夢を毎日のようにみるようになって、これはおかしい、と思ったことが症状に気づいたきっかけです。
あるときは、突然大きな不安が湧いて、涙が止まらなくなる。またあるときは、不安に駆られて、通信講座を申し込んで多額の出費をしてしまうなど、突然変わるメンタルの症状に振り回されることがとても苦しかったです。 また、薬の副反応で呂律が回らなくなったり、一日中酷い脱水感で、寝てばかりの1日を過ごしていると、親や当時同棲していた相手に対して、すごく申し訳なくて辛かったです。
🗣 病院・カウンセリングについて
病院・カウンセリングの通院状況
今は通院やカウンセリングは卒業しています。 通院していた時代は3回ほど病院を変えており、2週間に一度のペースで病院に通っていました。 通院中は服薬治療や、精神保健福祉士(PSW)さんによるカウンセリングが中心でした。 入院したときは、それに加えて作業療法や臨床心理士の方によるカウンセリングや心理検査を受けていました。
病院・カウンセリングの選び方
口コミや、知り合いの評判を聞いて病院やカウンセリングを選ぶ方も多いと思います。 しかし、自分に合うか合わないかは自分で決めなければなりません。そのためには、実際に病院に電話をかけてみることが最も確実だと思います。 電話でしっかり話を聞いて下さる病院は、先生はもちろん、受付の方や看護師さんも話しやすい方が多かったと思っています。
😌 回復までの流れ
回復までの流れ-兆し・きっかけ
夫に出会ったとき、「この人とこれから一緒に生きていくためには、このままじゃダメだ。」と思ったことが一番のきっかけでした。 主治医に相談して、少しずつ薬を減らしました。この時期は、ノートに自分の思っている事や症状を記録したものを診察の度に主治医に見せていました。 しかし、「早く普通にならなきゃ!」という意識が強すぎて、焦って合わない仕事に就いて職を転々としてしまったりもして、「またうまくいかなかった‥」と落ち込む時間が苦しかったです。
回復までの流れ-回復期〜寛解まで
今の職場に就職した時、「まずは一番少ないノルマから始めていこうね。」と上司からアドバイスをもらい、一日45分の仕事を週に2回から始めて、少しずつ時間やノルマを増やしていきました。 これがきっかけで、「今週も休まずに仕事ができた!」「1ヶ月続けられた!」と、小さな「できた!」を積み重ねて自信をつける度に、徐々に病気を忘れて過ごせる時間が増えました。 この時期は、出来ないことは出来ないときちんと伝えること、助けてほしい時は助けて欲しいと伝えることなど、SOSは恥ずかしがらずに伝えることを大切にしていました。 この時期に上司がかけてくださった、「全部100点にしよう!と思ってたら、疲れちゃうよ。70点でいいところだってあるんだから。頑張りすぎないでね」という言葉が、優しく背中を押してくれました。
💡 効果的だったこと
効果的だった取り組み
毎日日記をつける事が一番効果的でした。自分の気持ちをアウトプットすることで、今の自分の考えを客観的に知ることができました。 日記をつけることは、セルフカウンセリングのような感じでした。毎日、その日の気持ちや、将来どうなりたいかなどを書いていました。
効果的だった周囲の支援
毎日、両親が散歩に誘ってくれた事が一番支えになりました。 歩きながら、私の話すことを母がただ聞き流していてくれたのですが、歩き終わる頃にはいつも気持ちがスッキリしていました。 また、歩くと夜もよく眠れたし、仕事を始めるための体力をつけることもできました。
💌 現在の様子・当時の自分にメッセージ
いま心がけていること
毎晩寝る前に日記をつけています。その日出来たことや明日の予定を書き出すことで、自信になるし、明日の見通しがたつので、「明日〇〇が起きたら××しよう」と、不安になったり落ち込んだりしたときの対策もできます。
いま、当時の自分に声をかけてあげるなら
「『助けて!』と言えることも強さだよ」
大学でいじめられていた時、「大学生にもなっていじめられてるなんて恥ずかしい」と思って、大学に行けなくなるまで親にも相談できませんでした。 でも、今考えれば、親でも大学の教務の先生にでも「私は安心して学校に行きたいんです」と伝えられていれば、自分の心や未来を守る方法を一緒に考えられたはずだと思っています。あのとき、勇気を出して「助けて」と伝えればよかったなと思うので、当時の自分にこの言葉をかけてあげたいです。
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