話してくれた方 | 20代男性 たなしさん |
疾患名 / 併発・特性 | うつ病 |
ご職業 | 自営業・フリーランス |
発症時期 | 2020年3月 |
お腹がすごく痛いとか、便秘、腰痛、頭痛といった身体的な症状もありました。座っているだけで耐えられないほどの痛みでした。気分的な面もありつつ、身体的な面でしんどかった記憶があります。
🗣 病院・カウンセリングについて
病院・カウンセリングの通院状況
病院にはすぐには行きませんでした。なんというか、医療機関に行くのを躊躇っていました。
薬は飲みたくない気持ちがありましたし、前に病院に行った時にあまり良いイメージを持つことができなくて。先生によっては、上から目線で言ってくる人や、「若いんだし頑張りな。」というような声かけをしてくる人もいて、病んでる時にはすごく辛く感じました。この経験から精神科やクリニックも玉石混交で色んな先生がいるということを感じていたので、安易に行こうと思えませんでした。これくらい自分で乗り越えなきゃという気持ちもあったと思います。
ただ、だんだん症状が重くなっていって、生活に支障が出るくらいの気分が落ち込む日が出てきて、ついに行くことを決めたという感じです。
病院・カウンセリングの選び方
とりあえずネットで近所の病院探しました。なんとなく先生のプロフとか読んだりして、ここかなと思って選びました。
選び方でアドバイスするとしたら、まずはホームページを見て、先生のプロフィールを見て、そこに書いてある趣味が合うかとかを見てみるといいんじゃないでしょうか。自分の先生は、読書とクラシック音楽、美術鑑賞などが趣味で書いてあったのですが、自分もそれらが好きだったので、安心できる感覚がありました。共通言語があると話しやすいですよね。雰囲気や待合室の本のセンスも好きだったし、そういうところが安心につながっていたと思います。
自分の先生が良かったなと思うのは、病んでいて死にたいと思う時もあってそれを率直に吐露した時に「この国の人は、生きる権利が補償されているので、みんな生きてていいんですよ。だから普通に生きていてください。」ということを言ってもらったんです。それを言われた時に、なんだか救われた気持ちになって、泣いてしまったんですよね。それでお世話になろうかなと思いました。
😌 回復までの流れ
回復までの流れ-兆し・きっかけ
病院に行って、薬飲み始めてから、次第に朝も起きられるようになって、夜も眠れるようになりました。そして「そろそろ家族以外の誰か、友達に会いたいな。今なら会えるかな。」と思った時が、回復の兆しだったかなと思います。
自分の場合は、薬が効きました。ただ、ある程度継続して服薬をし続けた頃から、お金もかかりますし、どこかで薬も通院もやめようと思うようになりました。薬は、だんだん友達と連絡とって会えるようになってから、先生と相談しながらやめることができました。そこからカウンセリングに切り替えました。
当時のことを思うと、家族との関係も悪化して親も心配するし、そろそろ辛いけどやらなきゃという気持ちと、ダメだという気持ちが拮抗してたように思います。
ただ、一つのきっかけとして、LINEやSNSも見れていなかったのですが、友達からの心配のメッセージがたくさん溜まってることに気づいたんです。「これは心配されてるな。返さなきゃ。」と思って、勇気を出して連絡をしてから、良い方向に向かっていったように思います。
回復までの流れ-回復期〜寛解まで
薬の服薬をやめてすぐの頃は、症状はありました。体調がいい時と悪い時の波があって、しんどいことも多かったと思います。
ただ、そうした中で、薬をやめて友達の輪の中でしんどいかもしれないけど生きていくのか、引きこもって薬を頼って生きていくかの二択で考えた時に、しんどくても友達と生きていくほうがいいと思えたのです。その気持ちで乗り越えて行けたかなと思います。
あとは、カウンセリングも良かったです。カウンセリングを通して、人と比べたり、世間体を気にしすぎているとか、よくない行動パターンがあるとか、それにはコンプレックスがあって、、とか、自分の傾向のようなものを客観視できるようになりました。
💡 効果的だったこと
効果的だった取り組み
ある程度友達と会ったりできるようになってきた頃に、自分のうつから今に至るまでの状況をまとめてSNSに投稿したのですが、それで大分変わったかなと思います。
自分のことを文章にして、勇気を出して投稿したら、想像してたよりはるかに反響があったんです。「書いてくれてありがとう」とか、「実は自分もうつで…」とか「周りにうつの人がいて」とか、相談までされるようになりました。
これは成功体験というのか、自分の病んだ部分を出していいんだというある種の開き直りができた結果、自分の経験を必要としてる人がいると感じられたということかなと思います。自分の経験が、誰かの役に立てているというフェーズに行けた。それが嬉しかったです。
なので、ある程度書ける状態になったら、どっかに書いてみるのもいいんじゃない?と思います。あなたの体験を必要としてる人が必ずいると思います。そして、それが自分の支えにもなっていくと思います。
効果的だった周囲の支援
誰か相談できる人がいることがまず大事かと思いますが、それ以上に誰に相談するかも大事です。不幸なマウントをしたがる人もいます。「話聞いてあげるよ。」って言っておいて自分の話ばかりの人とか、説教をして悦にひたる人もいます。意外と、ただ話を聞くって難しいんです。
だけどきっとただ聴いてくれる人がいるはずです。自分はそうやって傾聴してくれる人がいたから、今生活できています。そういう人を一人でも見つけられるといいんじゃないかなと思います。
💌 現在の様子・当時の自分にメッセージ
いま心がけていること
今までは、気持ちが沈んだら、そのまま波に飲み込まれて正常に判断できずに溺れてしまう、という感じだったのですが、今は自分のパターンがわかってくるようになりました。やばいと感じても「これは一時的だから大丈夫」とか。
自分の状態を俯瞰的に把握したり、パターンとして認知することが大事だと思います。 例えていうなら、飛行機で急に片側のエンジンが壊れたとしても、訓練しているパイロットなら、片側のエンジンが生きていれば飛べるとわかっているので冷静に対処できます。それを知らないパイロットは、大パニックでしょう。 これと同じで、以前は自分の取り扱い方もわからず飲み込まれていたのが、今は冷静に観察して、大丈夫だと確認できるようになったと思います。
当時瞑想ができるアプリを使っていて、瞑想・マインドフルネスのガイドを聴いて、そのような概念を学べたのが良かったです。
いま、当時の自分に声をかけてあげるなら
「とりあえず、生きてりゃいいんじゃない?」
元気になったあとも、色々な困難な状況があったり、辛いこともあったけど、なんやかんやで新しい居場所が見つかったり、思いがけず仕事を頂けたりしています。当時の自分からしたら、まさかそんな未来があるとは思いませんでした。先の人生で何が起こるかわからないので、とりあえず生きてりゃいいよ。と伝えたいです。
あとは、もっと早く誰かに相談してたら良かったと思うので「とりあえず誰かに言ってみ。」と伝えたいですね。
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