話してくれた方 | 20代女性 ゆりさん |
疾患名 / 併発・特性 | うつ病 |
ご職業 | 会社員・公務員 |
発症時期 | 一回目:大学2年冬から大学4年春
二回目:社会人3年目から4年目 |
二回目の時は、寝ても寝ても眠いとか、集中力が続かずパソコンを見ていても字が滑っていく感覚があり、「これはあの頃と同じだ。」と感じて病院に行きました。
🗣 病院・カウンセリングについて
病院・カウンセリングの通院状況
うつのような症状が出始めた頃は、自分の心に問題があるのだと考えて、なんとか頑張ろうとしていました。サークル活動に寝坊してしまったりしたのも、それは単純に予定管理ができていないからだ、というふうに。完全に自責で考えていました。
それが、電車に乗ると過呼吸になったり、サークルに行ったら突然涙が出てきてしまったり、体の反応に感情がついてこないようなことが起きて、何かがおかしいと自覚し病院に行きました。そこでうつの診断を受けて、通院をすることになりました。
病院・カウンセリングの選び方
一回目は通いやすい場所にあった心療内科に行ったのですが、そこが本当に相性が悪くって。話を聞いてもらって応対してくれる、というよりは、ポンと薬出されて終わりという感じで。
個人的にはそれが結構辛くて、病院に対する不信感を持ってしまいました。そのあと1〜2週間くらい、病院行けない状態が続きました。だけど、やっぱりこのしんどい状態は自分では解決できないなと思って、改めてネットで調べて、大手のメンタルクリニックに行くことにしました。それが私にとっては良い選択になりました。担当の心理士の方がとても良い方で、それから病院に通院することができるようになりました。
調べるコツとしては、口コミはある程度信じていいかなと思っています。悪い口コミがあるところはできるだけ避けたり。今はGoogle MapやWebサイトなど色々なところにクチコミが載ってるので、そういうものを集めていくと、よいクリニックに出会える確度を上げられるのかなと思います。
ただ、これってものすごく気力と体力がいることです。とても大変な作業だと思うのですが、良いお医者さん・カウンセラーさんに出会えることは、その後のメリットもすごく大きいので、少し頑張って調べてみるといいんじゃないかなと思います。
😌 回復までの流れ
回復までの流れ-兆し・きっかけ
私の場合は、まずはとにかく、普段通りできないことがあってもそれを誰かに責められるようなことがない環境を作りました。
まずはよく寝て、よくご飯を食べて、薬を飲んで回復すること。そうやってちょっと元気になった頃に、信頼できる先輩がお茶のお誘いをしてくれたのでそれに乗ってみることにして、実際に会ってその人に「いなくて寂しいよ」「あなたは悪くないよ」という声をかけてもらったのが、良い方向に向かうきっかけになったかなと思います。
ただ、それより前には、誘いを受けても応えられない時期もありました。心がざわざわしているときって、どんなに優しい言葉をかけてもらっても、素直に受け取れないんですよね。嵐で海が大荒れの時は、結局嵐が過ぎ去らないと凪にはならないのと同じで、そういうときは、じっと待つしかないんだと思います。
ある程度元気になるまでは「”何もしない”ということをする時間」を取って、自分でも「甘やかしすぎでは?」と思うくらいに休息に専念することが大事だったなと今振り返って思えます。
回復までの流れ-回復期〜寛解まで
私が回復期に意識していたのは、一日の中で、行動したり頭を使う時間をなるべく減らして、頭の余白を増やすことです。
当時を振り返ってみると、自分の中であれもこれも考えすぎて、頭のメモリを食って容量が常にパンパンの状態なのが辛かったなと思います。なので、頭の中をカオスにさせるようなことを最小限に抑えるように気をつけていました。
例えば、ちょっと買い物行くのも、予定を詰め込みすぎず、一つの目的だけ果たしたらピッと帰るとか。あとは、ノイズキャンセリング機能のあるイヤホンをつけて、外のガヤガヤを頭に入れず、できるだけスッキリな状態を作るようにしていました。 人に会うのも、ちょっと言いにくいことですが、とにかく会う人を選んでいました。「この人は攻撃的な言葉を使うな」「一緒にいるとポジティブエネルギー使うな」「刺激が強すぎる」など、頭の中がカオスになりそうな場面はできるだけ避けるようにしていました。
💡 効果的だったこと
効果的だった取り組み
私の場合は、毎日日記を書くことです。また、書きっぱなしにするのではなく、三日後とかに読み直すのが良かったです。読み直すと、自分の認知の歪みや思考のクセに気づくことができるので。
あとは、Twitterで「この人なら傷つかないだろうリスト」を作って、うつの参考になりそうな情報を発信してる人の情報を読んでいました。サクッと読めて、かつメンタルを底上げしてくれるものたちを摂取できたのは良かったです。セルフケアのTipsが簡潔にまとまってる本も助けになると思います。
うつのときって、でっかい塊のようなヘビーな情報に手をつけるのがしんどいんですよね。何事も、細切れの小さなサイズになっていること結構大事で、例えば日々の行動も「まずキッチンに行く。」とか「次に皿を洗う。」とか細切れにして、小さい単位のことをこなしていくのが大事だったなと思います。
効果的だった周囲の支援
今でも覚えているのは、外に出る気力もないような時に、親友がでっかいメイクボックス持って家に駆けつけてくれたことです。
その子はいわゆるコスメオタクでメイクがすごく上手で、前から私に似合うメイクを教えてあげると言われていたのですが、うつになったとき、その子が家まで来てメイクをしてくれたんです。それがすごく嬉しかった。
私が救われたのは、「辛いの?話聞きにいくよ。」じゃなくて、「メイクしにいくよ!」っていつも遊ぶ感じでやってきてくれたこと。女子大生の日常を一緒に過ごしてくれたのが救いでした。
逆説的ですが、日常的に接してくれたことで、かえって信頼できて、今の自分のことも話やすくなったように思っています。
💌 現在の様子・当時の自分にメッセージ
いま心がけていること
しっかり寝ることです。日付が変わる前に早く寝る。基本的な健康な生活が本当に大事だなと思います。ご飯を食べる。光をあびる。6000歩以上歩く。健康のためにできることを当たり前にやることを心がけています。
あとは、私はわーっとテンションあがる時に予定を詰め込みすぎて、あとあとで大変になるということがよくあるので、 web上のカレンダーとは別に、手書きの月ごとの予定が見れる手帳も使っていて、パッと一目でどれくらい忙しいかを視覚的にわかるようにしています。これをみると、「うわっ、黒が多いな。」というように自分の忙しさを把握できるので、危険信号に気づきやすくしています。
これは私の例ですが、自分に合った方法で、自分にとっての危険信号に気づけるようにしておくと良いと思います。
いま、当時の自分に声をかけてあげるなら
「頑張ったね。ゆっくり休みな。」
ですかね。うつでしんどい時って「自分は頑張りきれていない」「能力が足りなかったんだ」などと自責の念に陥っていきます。だけど今、当時の自分を振り返ってみると、確実に兆候があったし、頑張りすぎていたなあと感じます。
その渦中にいるときは何が起きているのかって客観的には見れなくて、終わってみないとわからないのですが、鬱になった人で、自分だけが100%悪くてそうなってしまうというのはまずあり得ないと思います。きっといろんな要因が重なってそうなっているはず。だから、無理せず甘えていいと思います。
私は二度うつになっているのですが、二回目の時は、うつの理論や治療法はすでに学んでいて「うつ病ってそういうもんじゃん。」と頭では分かっていました。だけど「そうはいってもしんどい」という状況で。「うつを知っている」ということと、「実際しんどい」ということは、やっぱり違うなと感じます。
それを思っても、まずはやっぱり、ゆっくり休み、よく食べ、心身をいやす。それでいいんだよと言ってあげたいと思います。
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