話してくれた方 | 60代男性 tanpopoさん |
疾患名 / 併発・特性 | うつ状態 |
発症時期 | 1999年10月頃 |
①不眠:自動思考が振り切れないで寝付けませんでした。 ②希死念慮:死にたいというより、車や電車に引き寄せられてしまいそうな恐怖感でした。 ③貧困妄想:住宅ローンがありましたので、絶対返せない、破綻すると言っていました。 ④激越症状:メールに依存し一晩中、友人や別居の兄など甘えられる人に大量なメールを打ったことは、私の当初の特徴だったと思います。
🗣 病院・カウンセリングについて
病院・カウンセリングの通院状況
私自身が医療従事者ですので、医療機関を知る先輩から評判の良い、有名な先生を紹介してもらいました。
しかし自宅から遠かったことや、先生の治療に満足できないでいましたので「自宅のそばに変えたい」と、紹介状を書いてもらい自宅近くの有名な先生を紹介していただきました。しかしその先生は忙しいのか、休診があり代理の先生にみてもらうことが多く不満が多く、また変えたいと思うようになりました。話もあまり聞き入れてもらえない感じなので、そのクリニックで自費診療で受けられる臨床心理士のカウンセリングを受けましたが、家族との葛藤の話に対して「その話は、家族が一緒に来ないと乗れない」と言われそちらでもがっかりしてしまいました。
私の批判的精神とプライドに火がつき、次の診療所探しを始めました。
病院・カウンセリングの選び方
上記のように、クリニック探しに苦労していた中で、地域にある相談支援機関と自助グループとの出会いが私には重要でした。
クリニック探しに苦労していた私の場合は、精神障害者対象の相談援助機関に相談に行って素晴らしい精神保健福祉士に出会えたことが大きかったと思います。
ある有名な先生が「名医と言われる人が必ずしも自分にとっていい医者にはならない」と言われていますが、それは正しいと思います。
私の場合、ストレスの元は、職場と家族にあるので、薬に加えて、生活への対処の仕方のアドバイスをいただける所が必要だったのです。
また、当時まだ始まったばかりだったとある先生の主催されているうつの自助グループに参加しました。その自助グループでは「自分にあった診療所探し」が話題になっていました。
精神保健福祉士は職務上、評判の良いクリニックを紹介するということはできないものなので、私についてくれた精神保健福祉士さんは「自助グループの中の体験者の経験を、自己責任の範囲で参考にする」のがいいとアドバイスをくれました。その通りに自助グループの参加者が利用しているクリニックを自己責任で選び、今に至っています。
😌 回復までの流れ
回復までの流れ-兆し・きっかけ
私の場合は「布団から出ていく場を見つける」それが一番でした。
くよくよしながら一日中布団の中に2か月くらいは閉じこもっていたものですから、2週間に1度、心療内科のクリニックに出かけることは、久しぶりの太陽にあたってピクニックのように感じ始めたときがあり、回復の兆しを実感しました。
散歩・日光浴がいいというのも知っていましたので、遊歩道めぐりをしました。午後の日課として散歩をいれられるようになりました。調子にのって、昔のぼった山に挑戦して登れないで、落ち込んだこともありました。
無理はしない。玄関から出られただけで60点以上です。回復です。
回復までの流れ-回復期〜寛解まで
私の場合は「仕事がある」ということと、「家族の中で経済的な柱であり続けること」が心に支えでした。
主治医は、うつの為に、職場で被害的になったりする私の対処法を教えてくれました。
『あの職員に冷たくされた理由は○○だからだ』との思いに「それは事実ですか?」「確認したのですか」と。
主治医は、優しい言葉で厳しく現実から目をそらさないことを教えてくれました。この主治医との出会いも転機でした。
仕事を続けるために「うつであることを受け入れてもらえる」「知っていても働かせてくれる職場」に勤めることにしました。障害者としての諸制度もフルに使いました。ただし、病状の揺れを理由に仕事に穴をあけることはできないのですね。
たいしたことはできていないのかもしれませんが、働けている。仕事仲間がいる。それを失わないことが私には大切だったと思います。
💡 効果的だったこと
効果的だった取り組み
①午前中調子が悪くても気にしない ②散歩・日光浴 ③自助グループに参加する ④精神障害者対象の作業所などの施設でボランティアをさせてもらう ⑤仕事を休まずに行く
効果的だった周囲の支援
①相談支援機関の精神保健福祉士や臨床心理士の面談 ②主治医の処方とアドバイス ③ハローワークの専門援助部門 ④自助グループと仲間 ⑤家族 ⑥親友 ⑦ボランティアの場を提供してくださった作業所(就労支援施設)
💌 現在の様子・当時の自分にメッセージ
いま心がけていること
睡眠を上手に確保したい。運動をとりいれたい。散歩友達などと会話に機会を作る。家族とのコミュニケーションを大切にする。オンとオフの切り替えができるように心がけている。などです。
いま、当時の自分に声をかけてあげるなら
「お疲れ様。」
きっと、「もうあの時に戻ることはないだろう」過去の話だし、大変だったけど頑張ったよね、という気持ちが一番この言葉にあてはまるような気がします。
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